2011年05月06日 の記事一覧
攻殻機動隊S.A.C. SSS 3D 感想本編(遅っ
いいかげん感想を書いちゃわないと見た映画がたまってるのでww
一応話のあらすじをおさらいしておきましょう
舞台は2034年、情報ネットワークとサイボーグ技術の発達により
人々の意思が電脳でつながれた未来
複雑化する犯罪の根を事前に探し出しこれを排除する攻性の組織、公安9課
通称―――攻殻機動隊
9課のリーダー的存在であった草薙素子少佐の失踪から2年
「梵」の刺青を入れた男たちが相次いで不審な自殺を遂げる事件が発生
その捜査線上で浮かび上がる「傀儡廻(くぐつまわし)」という特A級ハッカーの存在
9課のメンバーであるバトーは少佐を追い、傀儡廻にその影を重ねるが・・・
一応攻殻を見る上で知っておきたい専門用語も解説しておきますネ
電脳・・・マイクロ・マシンを注入することで、人間を直接ネットに接続できるようになった脳のこと。この非生物的な知能と融合を果たしたことで、記憶力、コミニケーション能力の増強をはじめ、人間の知性がネットへと移行していった。記憶を保管した外部記憶装置への接続、記憶情報の共有記憶を元に疑似体験することも可能。
これは分かり易いとこで言うと、映画マトリックスみたいな感じで
頭に直接ケーブルをつないでネットにアクセスしたり色々できちゃうってことです
無線での会話も出来たり、攻殻の世界では一般的なものとなっています、便利
義体・・・人間の体の一部を人工的な機械に置換すること、いわゆるサイボーグ。望めば全身を義体化して驚異的な能力を得られるが高額なコスト負担のほか、心身の不一致感からくる精神的苦痛など、克服するべき点は多い。また、電脳スキルの高い者は遠隔操作によって複数のリモート義体を操るものもいる。
これもSF映画ではおなじみのサイボーグですね
公安9課のメンバーは現場に赴いてテロの鎮圧に参加したりするので
義体化率の高いメンバーが多いです(特にポスター右のバトーの目は有名ですナ 笑
ゴースト・・・人間にのみ存在するとされる、人間と機械を隔てるもの。『攻殻機動隊 S.A.C.』の世界では、電脳化によって脳内活動がすべて電気信号に置き換わり、人間と機械の境界が極めてあいまいになっている。逆説的に、同じ電気信号で思考する機械にも、もしかしたらゴースト(ghost)が宿るのではないか──。
これはちょっと馴染みのない言葉だと思いますが、「魂」みたいな言葉だと考えればおk
電脳は現代のPCと同じようにウイルスやハッカーの脅威にさらされていて
他人の電脳をハッキングしてのっとってしまうことをゴーストハックと言ったりします
並列化・・・これ公式の用語解説がないから説明するのが難しいんだけど、情報の並列化、という形で使います。情報の共有化と認識の一致って言葉でまとめるのがいいのかな?ネットを探してもちょっといい表現が見つからなかったのでこんな感じで(汗)攻殻機動隊S.A.C.シリーズではこの並列化の果てに起きる事象について描いています。この辺は後述。。
まぁ紹介し続けたらきりがないのでこの辺でいいでしょww
最初の感想は「やっぱり攻殻はカッコイイ!!」ってのが大きかったw
今思えばこれほど複雑な話でこんだけ単純な感想が出てくるってのもスゴイ 笑
だって複雑な話を見せられたら普通だったら
「ここがこうなって、これがあーだから・・・アレ?」
ってなってビジュアルとか音楽の良さとかは頭に入ってこないんですヨ
個人的にはインセプションとシャッターアイランドの違いってその辺なんですよね
確かにシャッターアイランドもサスペンスとして話の持っいきかたは上手かったし
ディカプリオの演技も良くて雰囲気でてたりしたんです・・・でもね!
インセプションはまず話抜きに映像作品としてスタイリッシュでカッコイイ!
音を消してどっちの映像が長く見れるかって言ったら間違いなくインセプションなんですヨ
って力説しても個人的な見解で、映画みてる人じゃないと分からないからやめますがw
特にカッコイイなって思ったのはやっぱり3Dを使った表現方法ですナ
最近の映画で3Dって結構あるんですが、どれもいまいちパッとしない 笑
技術的にはすごい時代なんだろうけど、それを使った表現はまだまだ発展途上だなと
映画をよく見る理系がこんなんなんだから、一般の人にはもっと印象薄いんだろうなw
その点この映画はいい使い方をしてる!
もともと攻殻のアニメはキャラクターからの一人称の視点が多くて
その上から電脳で処理した情報を重ねて表示する、的な表現が多かったんですよ
(下の画像
そんなこともあって元々3Dとの親和性は高い作品だったってワケです
「視る人を電脳化する3D」ってキャッチコピーのも納得の出来でした
右の二つの枠は事件の報告書かな?後ろの背景からバーチャル表示なのが分かる
これが3Dで背景の前に浮かんでて、自分が電脳化したらこんな感じってのが良かったね
で、正直そのカッコよさに心を惹かれて話はあまり頭に入ってこなかったんですよ(汗
それで帰ってからDVD(2D版、2006)で見なおしてみたら、やっぱりスゴイ話で 笑
用語解説のところでも後述って書いたけどこのシリーズは
「情報の並列化」ってワードにすごい深いアニメなんだよね
情報の並列化って言葉はちょっと難しいけど、たとえば
ある画像があって、それを見るとその画像について情報の共有化は出来るわけだ
ただ人によってその画像から受けるイメージ・感情は様々で、それに均一性はない
電脳のある攻殻の世界ではそのイメージ・感情まで共有することができる
それがつまり「情報の並列化」ってことで、もっといえば
自分のした体験を、当時自分が受けた感情とかもそのまま共有することが出来るわけで
子供のころ親が殺されるのを見てしまった子供が大人になってネットに流せば
それを見た他人が犯人に殺意を抱くことだってあり得ちゃったりするんです
でも「情報の並列化」っていうのが電脳が登場する遠い未来の話かと言えばそうでもなく
ネットが無い時代から、議論をする場合はある程度共通の知識がないとできないし
仕事でも同じ、同じプロジェクトをやるならある程度の並列化は必須ともいえるんだよね
それがネットが登場することで、赤の他人との情報の並列化が出来るようになってきてて
たとえばニコニコ動画、あれって動画にコメントついてるからこそ面白いってあるじゃん?
それってまさに一つの動画に対して面白い点を多くのユーザーと共有化してる
つまり情報の並列化が起こってるってことなんじゃね?っていうことになるんですヨw
まぁもっと言えばこのブログを読んでいる今、この瞬間にも
攻殻ってこんな作品なのか・・・っていう並列化が起きてるわけですからね 笑
しかもこのアニメは「情報の並列化」からさらに先に踏み込んで
1期では並列化の果ての没個性、2期では難民問題と集合意識体
そして今回の映画SSSでは少子高齢化問題をテーマにしてるのがスゴイ
現実の問題とリンクしているので考えさせられることが大いにある
でもその辺は並列化ではなくて個々のゴーストにゆだねたいのでここでは語りません 笑
手抜きじゃないよ、ホントに見てもらいたい作品だからこその判断ですww
で、さらにスゴイなぁって思ったのはこの話のベースになっている
士郎正宗原作のマンガ、攻殻機動隊の先見性と
S.A.C.の脚本・監督をしている神山監督の現代ネット社会への視野の広さだね
特に原作なんか家庭にネットが全く普及していないころに書かれたもので
それでいて今の社会に通じる点が多くて、やっぱりすごい名作だということを再確認
S.A.C.の一期なんかもちょうど家庭にネットが普及し始めたころの産物だし
ネット社会だけじゃなくてさらにテーマを上乗せして作品を再構築している
っていう神山監督の才能には脱帽物です
個人的には刑事ドラマとしてみても普通に面白いとおもってるしね 笑
当時攻殻が出回りだしたころに見た人も面白かったと思うけど
自分はツイッターとかネット社会が成長して、個々の認識が向上している
今だからこそ本当に楽しめる作品だと思っているので
まだ見ていない人はぜひ、映画がやっている今のうちに見てみてください!
1期2期合わせて50話以上だけど頑張ろう 笑
正直語りだしたらもっと色々しゃべりたいことはあるんだけど
長くなっちゃったし、これ以上かいても分け分かんない文章になりそうだから
こんかいはこの辺で、えぬまるでしたノシ