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海獣の子供

前に友達の家で読んでその独特な絵が引っかかっていた五十嵐大介の海をテーマにしたマンガ。5巻で完結したというのを知ってGEOでレンタル。ついでにちはやふるとそれ街の新しいヤツ、計7冊借りて280円というのはかなり嬉しい。前にこのブログでもSARUという五十嵐風孫悟空を描いたマンガを紹介したけど、やっぱりこの人のマンガはしっくりこない(笑)。しっくりこないけど読んでしまう凄みがある。

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なんで「しっくりこない」という表現をするかというと、この人のマンガにはマンガ的なケレン味というかハッタリ感がほとんど無いんだと思う。人はある程度はデフォルメされているけど、背景の人工物や、海に泳ぐ魚なんかはすごくリアルに描ききっている。そこからくる情報量の多さというのが、なんとなく感じる気持ち悪さになってる気がする。それが悪いかというとそういうわけではなく、むしろ神秘性とか神話性にマッチしていて、海のシーンでは息を飲むようなコマがあったりするんだけど、やっぱりまとわりつくような気持ち悪さがつきまとうというのがこの人のマンガの印象だったりする(笑)。

そのリアリティ思考は構成にも現れているようで、神話や寓話をもとにしているにも関わらずその説明はほとんど無く、そういう世界であるという前提で描かれているのが「しっくりこない」感に拍車をかける。例えば隕石から声が聞こえたり、マンタの腹にこちら側を覗くような目があったり。普通のマンガなら主人公が驚いて、そちら側の世界の住人から説明があったりするけど、SARUでもそうだったように五十嵐大介のマンガにそういうのはない。神話・寓話は分からないからこその神秘性があって、そもそもそういった現象には理由がない。それを利用してそのまま描いてしまうのがこの作者の特徴だったりするから難しい。


そんな作風だからか、話も結局よく分からないことが多い。分からないように描いているとさえ思えてくる。でも、そこには言語を超えた表現をしたいというテーマがあって、確かに読み進めていくうちに徐々に作者のイメージの羅列が多くなっていくのが分かる。読み終わったときには宇宙と海と人の繋がりを感じてしまうような、何とも不思議で新鮮な読後感が残る。・・・なんか危ない宗教みたいな感想だけど、そうとしか言えないのだから困る(笑)。そもそも言語を超えた表現を見た感想を言語化するというのが無粋なのかもしれないけどw

そんなわけでオススメできるマンガではない(笑)。でも一風変わったマンガを読んでみたいという人は読んでみるといいかも。面白いだけが作品ではないとは良く言うけど、マンガでそれをやって評価を得るというのは相当難しいことで、一般のマンガ家が目指すところとは相反するワケだし、そういう意味でもこの作者は今後も要チェックだと思う。

あと昔書いたSARUの感想でも言葉に出来ないって言っててちょっと面白かった(笑)

今回はこの辺で、また次回ノシ
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