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バンテージ・ポイントの感想

少し前にNHKでやっていた映画制作の基本を講義形式で紹介する「ハリウッド白熱教室」という番組がなかなか面白かったんだけど、見れたのが全5回のうち4回目の"編集"の回だけだったので再放送を心待ちにしている今日この頃。その中で、「編集は映画に時間と空間の不連続性を作る」「映画を映画たらしめる最大の要素」という話があってナルホドと思ったので、編集・構成に凝った作品を見ようと思いネットで検索して借りてきたのがこの映画。検索結果の中に自分がオススメの「メメント」があったのでちょっと期待しての鑑賞。


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▲DVDジャケットはもっとダサい、でもこっちはアオリが詐欺っぽい(笑)
どんな見方しても8人も容疑者がいるような映画とは思えない



式典で大統領が狙撃された、、、その前後を異なる8人の視点から描くという意欲作。最初はテレビレポーターの視点で始まり、大統領が狙撃され広場が爆破された瞬間、時間が巻戻りSPの視点でもういちど同じ場面が再現され、また時間が巻戻り他の人(たまたま会場でビデオを撮っていた人、会場に潜入していた現地の警察官などなど)の視点で再現されて・・・と次々に物語を見る人が変わっていくというのが斬新。文字通りとらえれば同じシーンの繰り返しでつまらなそうに聞こえるかもしれないけど、繰り返される度に少しずつ事件の全貌が明らかになっていく様に作られていて、それがまた一番気になるトコロで次の視点へ移るようになっているので退屈しない、むしろ謎が明かされると同時に新たな謎が生まれるという展開には目が離せない。

そして地味にアクションやカーチェイスのシーンが上手いのも見所。サスペンスな雰囲気に流されてスルーされそうな感じだケド、今までみたカーアクションでも屈指の出来だったように思う。と言うよりも、犯人が途中で分かってしまう構成的に、終盤のアクションに力を入れないと画面の緊張感がもたなかったんだろうな(笑)。


で、不満な部分と言うといろいろあるんだけど、一番はテロリストが大統領を襲撃した理由がイマイチ描写されていないということ。むしろ大統領の方がテロに対する対応・考えをぺらぺら喋ったり、デモ隊の持っているプラカードが報復戦争・ドル防衛戦争に対する反対だったり、明らかに制作側の意図を代弁させている部分が多かった。まぁ社会性を持たせるのは悪いことではないし、確かに現実のテロも一般人には理解しがたい理由で行われるものだけど、やはり映画としてエンターテイメントとして作るのであれば、それなりの理由が欲しかったところ。これがあれば、もう少し悪役であるテロリスト側も深みが増したように思える。そういえばテロリスト以外にもよくよく考えてみれば、主人公以外のキャラクターは掘り下げが足りなかったかなぁ。ただ、映画のコンセプト的に回想なんかは入れづらい作品だっていうのは理解出来るけどね。

そんな感じで、なかなか凝った作りになっていて目的通りの映画を借りてこれたのでおおむね満足(笑) ストーリーよりそのアイディアに拍手、複雑に作って分かりにくくなるとかもなかったし。まぁネットでは黒澤が通った道って言われてるけど、アイディアを流用したリメイクって個人的にはアリだと思う。時間も短めでサクサク見れるのも良かった。

というわけで、短めだけどバンテージポイントの感想は以上。作りは面白いけど個人的に響く作品ではなかったかな。上手い、イイ作品という感じ。次はこれと一緒に借りてきたミッション:8ミニッツの話をします、また次回ノシ
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